〔4〕Duel Masters 列伝

Duel Masters 列伝
■アクト4:機神装甲ヴァルボーグ



響きわたる爆音と怒号の中、天空より無数に降り注ぐ光の刃。
悪夢の夜が明けた…。



開戦から数日―。
オイラたち火の民の故郷「火山諸島」は、急襲した光文明の攻撃でクレーターだらけになっていた。
あ、自己紹介が遅れたね。
オイラの名はゲット。
〔4〕Duel Masters 列伝





今回の任務は、相棒のボーグと一緒に光文明の背後を突く作戦だったんだけど…。
光文明の拠点の周りを巡回中のガーディアン小隊と出くわして戦闘に突入…深傷(ふかで)を負った相棒を引きずりながら、ようやく火文明の前線基地までたどり着いた。



「隊長殿、敵はラルバ・ギア率いるガーディアンの一個小隊で、主力はラ・ウラ・ギアであります。」

「そうかご苦労。」
「君の相棒はメディカルカプセルの中で治療中だ。」
「敵の攻撃に備えて君も休んでおけ。」

「了解しましたッ。」



休憩所に向かう途中、ボーグの様子を見ようとメディカルセンターのロビーに差し掛かったときだった…。
敵の襲来を告げるけたたましいサイレンと共に空に響くソニックブーム。

「間違いない… ヤ ツ ら だ ! !!」

センターから飛び出して空を見上げると、光文明の量産機が空を埋め尽くしていた…。

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一斉に放たれる閃光。

「ここはもぅダメだ。」

呟くやいなやオイラはメディカルセンターの中へと走った。
相棒のボーグを引きずってでも避難させなくては。
センターの中心部にあるカプセルルームを目指して走っている間も規則的に衝撃が伝わってくる。
外ではまだ光文明の攻撃が続いているんだろう…。
メディカルセンターの外壁は大型のジャイアント・インセクト殻を利用して造られたもので、かなり頑丈だが、この勢いでは長くはもちこたえられそうにない。
非常用の階段を駆け降りて、カプセルルームの前…。
技師ピーポがゼノパーツたちと慌ただしく作業をしている。

一際大きな衝撃…。
ついにメディカルセンター中心部の屋根に風穴が開けられてしまった。

「ボーグは無事かッ?」

思わず叫んでいた。

「オレを誰だと思ってる?」
「 不 死 身 男 爵 ボーグたぁ、オレのことよ。」
…と瓦礫の中から立ち上がるボーグ。
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正直、フラフラだったが、どうやら無事らしい。

ホッとしたのも束の間、ヤツらの容赦ない攻撃は続く。

センターに開けられた風穴から空を見上げると、ラルバ・ギアがトドメといわんばかりに主砲にエネルギーを集中させている。
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「今度こそ終わりだ…。」


ビカーーー…!!!

放たれる一際大きな閃光!
収束した光の渦がオイラたちを飲み込んでゆく…。



「間に合えーーー!!!」

…という叫び声と共に降ってきた補給物資運搬用のコンテナ。

「?!」

辺りに満ちる緑色の柔らかな光…。

「どうやら間に合ったみてぇだな。」
…とコンテナを持って駆けつけたエグゼドライブ。
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「奇跡じゃ。」
…呟きながら見上げる技師ピーポの長老。

若いピーポたちは目を丸くしてただ見上げている。



視線の先には雄々しく輝く深紅の機神装甲がッ!

「ボーグが機神装甲を着けてレーザーをはね除けたんだ。」
…と若い技師ピーポ。



「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ、敵を砕けとドリルが叫ぶ…。」
「オレがァー、 機 神 装 甲 ヴ ァ ル ボ ー グ だぁーーーッ!!!」
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瓦礫の間から沸き上がる兵士たちの歓声。

オイラたちの機神装甲が大地を蹴って跳ぶ。

両の腕で量産機を砕いては蹴り、また蹴っては砕き、ついにはラルバ・ギアのところまで翔んで、渾身の力でドリルを打ち込んだッ!!!



強烈な光と爆発音。



「ボーーーグ!!!」
オイラは思わず叫んでいた。



轟音と共に落下するラルバ・ギアの残骸。
立ち昇る硝煙と土煙の中、ヨタヨタと近づいてくる人影。

「ボーグッ!!!」

こちらを見てニッと笑うボーグ。
駆け寄る仲間たち。
仲間たちに囲まれながらボーグは静かに崩れ落ちた…。

…圧倒的な戦力差を覆して火文明が勝利を納めたこの戦いは、後に「第7砦の奇跡」として永く火の民の間で語り継がれることとなる。

to be continued…



2010年05月25日 Posted byH∧L at 15:15 │Comments(0)

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