Ｄuel Ｍasters 列伝

Duel Masters 異聞 ―タイムチェンジャー・クロニクルズ―
■アクト4:時空男



既にオリジン化していたサイバーロード…クラゲンによる情報操作で、誤った任務を与えられていたことに気付いたタイムチェンジャーは、独力で世界の破滅を防ぐことを決意。
オリジン種族の謎を解明するため、極神年代初頭に時計の針を合わせ、タイムスリップを開始したが、予期せぬ不調に襲われ、不死鳥年代後期の火文明遺跡群の中に不時着してしまう。






急いで不調の原因を調べるタイムチェンジャー。
自己診断の結果、自分のボディーの内部に異物を発見。
同時にその異物から微かな生体反応を感知する。
しかも、それは、タイムチェンジャーのボディー内部で、少しずつ増殖を始めていた…周囲の回路を侵食しつつ。

タイムチェンジャーの電子頭脳が危機を告げていた。

「このままでは謎の生命体に ボ デ ィ ー を 乗 っ 取 ら れ て し ま う ！ 」

タイムチェンジャーは周囲の遺跡から部品を調達し、スペア部品も使って自分と同じボディーを作り始めた。



ボディーに内臓された全ての作業アームを総動員し、１ヶ月半かけて、ようやくスペアボディーを完成させた頃には、謎の生命体による侵食が進み、ボディーの約15％が乗っ取られていた。
タイムチェンジャーは、擬似人格プログラムとオリジンに関するデータベースとを元のボディーからスペアボディーに移動させ、元のボディーのメンテナンスハッチを解放し、謎の生命体のサンプルを回収した。

ちょうどその時、付近で激しい爆発を感知し、慌てて遺跡群の物陰に隠れた。



そこには傷ついたフェニックスと、それを追撃してきたゴッドの姿があった。

「神による統治ッ？！」
「聞こえは良いがそれは首がすげ替えられただけの支配ではないのかッ？！」

「黙れ…ゴッドこそが至上のクリーチャーなのだ。」
「神に叛(そむ)きし者よ…制裁を受けるが良い。」

「バカめッ。」
「ここに誘い込んだのは貴様に勝つためだ！」
「目覚めよ、我が同胞達よ！」






フェニックス…ミスター・イソップの放つ純粋なまでに輝かしい光が辺りを照らすと、古(いにしえ)のクリーチャー達が大地から姿を現した。
次々と甦(よみがえ)るクリーチャー達。
しかし、ゴッド…ゼンアクの前には無力だった。






鎧袖一触(がいしゅういっしょく)とは、まさにこのことだろう。
ゼンアクに触れられるだけで破壊されてゆく過去のクリーチャー達。
そして、ついに、決着の時は訪れた。
フェニックスは力尽き、ゴッドが勝利の咆哮(ほうこう)をあげた…。
ゴッドが去った後、熾烈な戦いで散乱したゴッドとフェニックスの細胞をサンプリングしたタイムチェンジャーは、再び極神年代初頭に時計の針を合わせてタイムスリップを開始した。



一瞬の閃光を走らせ、タイムチェンジャーが不死鳥年代を去った後、破棄されたボディーが不気味に蠢(うごめ)き始めていた…。
タイムチェンジャーを襲った謎の生命体…これは、クラゲンによって埋め込まれたヘドリアンの一種で、機械と同化し、寄生するタイプのクリーチャーだったのだ。
今、タイムチェンジャーと同等の能力を備えたオリジン種族…時空男が誕生した。






時空男はタイムチェンジャーの思考の痕跡(こんせき)を探り、極神年代初頭に時計の針を合わせ、タイムスリップを開始した。

オ リ ジ ン 種 族 存 続 た め に !!!

to be continued…